小山田です。
今回はNHK Eテレのオイコノミア「分かって得する!原因と結果の経済学」の感想を書きます。
結論
飛び込んできた情報を疑わず鵜呑みにしてしまうのって怖いなって思いました。偉い人がそう言ってたからとか、新聞に書いてあったとかニュースで言ってたとか、そういう類のものです。
情報に「ほんとうに因果関係があるか?」を考えるクセがないと、大損したり痛い目をみるかもしれませんね。
感想
飛び込んできた情報の因果関係を冷静に考えたら、実はただの偶然だったり、直接的な因果関係になかったり、因果関係が逆だったりする場合があります。なにも疑わず信じてしまうのって怖い。
- 地球温暖化で海賊が減った?←まったくの偶然ですよね
- 体力のある子どもは学力が高い?←実は親の影響だったりします
- 警察が多い地域は犯罪が多い?←犯罪が多いから警察が多いんですよね
自分中心に考えてしまう罠
物事を考えるとき、人間の思考には罠があるとかで2つ紹介されていました。
- ヒューリスティック・バイアス・・・自身の経験則に影響を受けやすい
例えば受動喫煙防止法について、国民全体の喫煙率は19.3%だが自民党議員は7割が喫煙者である→議員からすると、自分も周りの人もタバコが吸えなくなりみんな困ると思ってしまう。
- チェリー・ピッキング・・・自分に都合のいいものだけを選んでしまう
下記2つの情報があった場合、喫煙者は2番の情報を信じたくなってしまう。
- 「喫煙で肺がんのリスクは1.3倍になる」←さまざまな研究から因果関係が証明されている
- 「受動喫煙防止法施行で外食業が8千億の減収になる」←飲食業の人に予測を聞いたアンケート調査結果であり、因果関係は証明されていない
このヒューリスティック・バイアスとチェリー・ピッキングは、あるあるですよね。良い情報だけを見ようとしてしまったり、自分や友人がそうなんだから〜と思ってしまったり。
気をつけなければ・・・。
因果関係をよく考えないと損をする?
- 個人の経験談は一般化が難しく、再現性も低い→まねるのは意味があるか?
- 効果の因果関係がハッキリわかっていない健康食品を買い続ける→無駄になるかも?
すごく耳が痛い話が飛び出しまして、ここが一番怖いなぁと思った部分です。
僕がすぐ想像したのが、「この方法ならネットで稼げるよ!」の情報たち。あれも全てが個人の経験談で、誰にでも同じようにできるものではない。再現性の低いその方法を信じて(前述のチェリー・ピッキングも加わり)、突き進んだ結果失敗する・・・なんてよく聞く話ですよね?(笑)
成功している人たちは何かとオイシイ話を振りまいて、「悩む時間がムダ!とにかくやれ!」なんて背中を押してきますが、その情報に本当に因果関係があるのか?を考える時間は必要だな、と思いました。考えて間違いない!と思えればいいんですが。
反事実を考えよう
因果関係があるかどうか悩んだら、反事実を考えるクセをつけるといいようです。した場合と、しなかった場合を検証してみる、ということですね。
- テレビを見ると学力が下がる?→テレビを見なかったらどうなるかを検証
- ゲン担ぎの食べ物を食べると試験に受かる?→食べなかったらどうなるかを検証
番組で触れられていた育児休業の延長は、オーストリアで復職率が下がるという研究結果が出ているようで。政策も経済学の観点からよく考えないと、良かれと思ってやったことが大きな損失に繋がってしまう可能性があると先生は言っていました。
うーむ、タバコの件といい、政府様は大丈夫かいな。
余談
今回の先生、慶應義塾大学准教授の中室牧子さん、しゃべりがすごく上手だと思いました。憧れます。
また、経済学者は常に損か得かを考えて感情的にならず冷静に分析していて、これまた憧れる生き様だなぁなんて思いました。データに基づくあたりが、最強ですよね。(笑)
以上、小山田でした。
オイコノミアは良い番組です。こちらの記事もどうぞ→【感想】オイコノミア「マンガとアニメ 熱〜い現場の経済学」内容まとめ
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