妖ばなし第4話「泥田坊」のあらすじ&感想です。みんな大好き泥田坊!10分少々の時間に「これでもか!」と詰め込まれた人間ドラマ、感服いたしました。
※ネタバレありです。
妖ばなし各話の感想はこちら→妖ばなし感想
泥田坊
あらすじ
尼田夢成は病院のベッドで寝たきりになっていた。娘の深泥はそんな夢成に、誰も手入れしなくなった田畑の売却を持ちかけるが、夢成は断固としてそれを拒み続けた。
吉原泥美はその昔、スナックで夢成といい関係になり、遺産の相続を約束されていた。看護師の仕事も紹介してもらい、寝たきりの夢成を看病していた。
深泥は夢成にしびれを切らし、ついに田畑を勝手に売却してしまう。それを聞いた夢成は、娘に裏切られた思いから妖怪・泥田坊へと姿を変える。
「田をかえせ、田をかえせ」
泥田坊は深泥の彼氏、深泥、そして土地を手に入れたと喜ぶ泥美を手にかける。
感想
よくもまぁこの短時間にこれだけの人間ドラマを詰め込んだな、と本当に感服いたします。圧倒的見応え。傑作でありましょう。おかげであらすじを書くのが難しかったです。笑
上っ面だけ追ってしまえば、金のためにさっさと父親の田んぼを売りたい娘、土地を手に入れたかっただけの愛人、欲望渦巻いた人間模様といった感じです。しかし僕は、夢成の回想シーン、深泥の回想シーンから親子のすれ違いの悲しさも感じますし、泥美の回想シーン後の表情からは、本当に土地だけが目当ての汚い女ではなく、過去の楽しかった時間を思い出し、愛情もあったのではないかと感じました。
真実はわかりませんが、僕はそう思いましたよ、ということで。とにかく、欲望にまみれた人間ドラマを、よくぞ10分ちょっとでまとめ上げた!と賞賛したいと思います。(しかも泥田坊というテーマもちゃんと使ってですからね)
冒頭の文車妖妃による今昔百鬼拾遺「泥田坊」の語りでは、妖怪朗読家ゆうかさんの本領発揮にゾクゾクしました。
夢成が泥田坊に变化するシーンでは、指を噛みちぎる→目玉を引っこ抜く、というグロ描写が続きますが、指が落ちたときの「シャン♪」という音、目玉が抜けたときの「ポンッ!フュイ~↑」という効果音からは、怖いんだけど怖いだけじゃない泥田坊の愛嬌を演出しようという心意気を感じます。グッジョブ!と言わざるを得ません。(まぁメインの目的はグロ描写の緩和かもしれませんが。笑)
今回も役者の演技がみな素晴らしく、しかも全員が名言を残していくという贅沢っぷりでございます。中でも好きなのは、
- 深泥「死ね死ね死ねお父さん!」
- 泥美「顔はやめてー」
- 深泥の彼氏「ここは良い土地だぁ」
特に僕が大注目したのは深泥の彼氏。なんでしょうこの低音超絶イケボイス。同性の僕が聞いても「あら良い声」とハートマークが付いてしまう勢いです。死に際の白目のむき具合も必見であります。
雑なまとめ
Wikipediaを見ていたら名称についての考察に「夢成」という名前と「吉原」という言葉がでてきて、なるほど、こういう細かい設定もいいですね。
今回の教訓は、「あんまり欲望にまみれちゃいけませんよー」といったところでしょうか。合わせて、「まじめに働かなあかんでー」というメッセージも感じますね。耳が痛い。
今回はかなりべた褒め状態になってしまいました。泥田坊をテーマにした回でしっかり人間ドラマで勝負しての圧倒的面白さ。そして泥田坊についても余すところなし。文句の付けようがないでしょう。
泥田坊は7月28日発売のDVD第一巻に収録されています。オススメです。
以上、小山田でした。
妖ばなし、各話の感想書いていますのでよろしければどうぞ!→妖ばなし感想
コメント