あー、惚れた。アリス=紗良・オット。完全に惚れた。かっこよすぎる。
アリス=紗良・オットのセブンルール
アリス=紗良・オットは世界で活躍する現在28歳のピアニスト。僕が彼女のことを知ったのはセブンルールという番組を見てだ。番組内容は、「世の中の輝く女性が自分に課している7つのルールを密着取材から解き明かす」というもの。
今回密着取材を受けた彼女のセブンルールをとりあえずご覧いただこう。
- 本番前はルービックキューブ
- ステージの上では裸足
- 家でクラシックは聴かない
- 買い物はインターネットで
- ウィスキーはストレート
- 待ち時間は極力作らない
- 練習するより経験する
僕が彼女の姿を見てわかったことは、これら7つのルールは彼女が自分を作るために課しているものではなく、彼女の生き様そのものがこの7つのルールになっていた、ということだ。(ニュアンスの違い、通じるかな?)
生き様がかっこよすぎる
とにかく僕は、「生き様かっこよすぎ!」と思った。マジで惚れてしまうくらいに、彼女は自由で生き生きとしてかっこよかった。
ドイツ人の父と日本人の母の間に生まれた彼女は4歳のとき自らの意志でピアノを始めた。28歳になり世界を飛び回るようになった彼女は、どこへ行っても国籍を聞かれることが嫌いだと話す。
「国籍を聞かれることで壁が出来てしまう。その壁を壊して、国を越えて人々を繋げるのが音楽。音楽が始まれば国籍なんて関係ない」
ステージ上で裸足なのは自分が一番リラックスした状態で演奏をしたいからで、お客さんにもリラックスした格好で聞いてほしいと思っているそうだ。
外見の印象と音楽に対する考え方からは凛とした美しさや誠実さを感じるが、日常ではとにかく自分に素直で”おてんば”という言葉の似合う人だった。
吉幾三の「俺ら東京さ行ぐだ」を聞きながら料理をする姿、面倒だからと全ての買い物をインターネットで済まし荷物が届いて喜ぶ姿、橋の欄干に座り川を眺めながらパンを食べる姿。実にのびのびと生き生きと、自由な印象だ。
ウィスキーをストレートで飲むのは、ハッキリとしたことが好きで何かを薄めたりすることが好きじゃないから。性格もイエスノーがしっかりしている。
公演当日には待ち時間が嫌いだからとメイクを済ますのも本番18分前、控室に向かったかと思えば忘れ物をしたと戻り、母親に心配され、全ての準備が整ったのは本番45秒前だった。
「クラシックの音楽家は200年300年前の曲を弾く。大事なのは想像力で、世界が開けるのは舞台に足を踏み入れた瞬間でいい」と話す彼女は本番寸前まで飾らない彼女のままだった。
飾らない自分を手に入れたい
自分の人生を生きている、という言葉がこんなに当てはまる人はそういないと思った。
もし僕が自分のセブンルールを作ろうと思ったらおそらく「理想の自分になるために自分を縛り付けるもの」を作ってしまうだろう。朝早く起きるだとか、1日1記事書くだとか、それはなりたい自分になるための作られたルールだ。
それに比べ「私は1日10時間ピアノに座って練習するタイプじゃない。音楽はマニュアル通りの練習だけじゃなく、普通の人生の経験もすごく大事だと思うから」と言ってのける彼女のセブンルールは、飾らない彼女自身をどれだけ現していることだろう。
奇しくも同い年である彼女の生き様は僕なんかと比べ物にならないくらい輝いていた。正直羨ましいし憧れる。だから僕は彼女に惚れたのである。
僕も飾らない自分のまま、人生を歩んでみたいと思った。
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