化け物として生まれた”男”の苦悩を描く
映画「MONSTERZ」は、生まれてきたことを誰にも祝福されなかった化け物の、いや、ひとりの人間の物語。
藤原竜也の演じる”男”の苦悩や葛藤、そして山田孝之演じるもうひとりの化け物・田中終一との戦いが描かれ、ラストには結構ハッピーエンドな感じで終わる。(まぁ捕まって終わるんだけど、小山田はあの流れハッピーエンドだと思う)
とにかくこの映画、藤原竜也がずーっと苦しんでいる。それが見どころと言っても過言ではなく、もだえ苦しむ藤原竜也大好きっ子は喜ぶんじゃなかろうか。小山田はもちろん大好物でした。
という冗談は置いておいても、”男”の苦悩や葛藤の描写はなかなかのもんでかなりツライ。
”男”は生まれつき人を操る能力を持っていて、子供のとき両親に化け物扱いされ見捨てられ、能力を使って自分の存在を消しながら生きてきた。静かに暮らしていた。
社会に溶け込み普通に暮らしている化け物といえばジョジョの吉良吉影が思い浮かぶけれど、彼は社会でそれなりに認められているし、「人を殺さずにはいられない」という性(さが)を父親にも理解され愛されている。
こっちはね、家族にも誰にもまったく理解されんのだ。
それでも映画を見ていれば、彼が人間として当たり前の「誰かに認められ愛されたい」という感情を持っていることがわかってくる。
警察や周りの人間に化け物呼ばわりされれば「俺は化物じゃない、人間だ」「名前だってある、人間なんだよ」と言ったり、母親と暮らした家に人知れず帰ってきていたり、母親を操り自分を抱きしめさせようとしてみたり、石原さとみに「母親を操って自殺に見せかけて殺したんでしょ!」と疑われれば「殺してない、殺せない、殺せるわけがない!」と激昂したり。
なんてツライんだよ。そうだよな、あんだけやさぐれるのもわかるよ、勘弁してやってくれぃ。
そんな化け物=人間の”男”がたどる苦悩と戦いとほんのちょっとの希望の物語、それが「MONSTERZ」という映画である。
あとあれだ、見終わるとAKIRAを読みたくなるんだな。
たとえ変な能力は無くとも
さて、映画で描かれた化け物ふたり。彼らにはあからさまな化け物らしい能力があったわけだけれども。
じゃあ我々人間は誰も心のなかに化け物みたいな一面を持っていないのか?
そんなことないよね。
今後自分の友人が、自分の家族が、自分の子供が、たとえ変な能力は無いとしてもだ、化け物のような本性を持っていたらどうすればいいんでしょう?
小山田は、きれいごとでもやっぱり理解して一緒に良い方へ歩んでいく努力をするべきなんだと思うんだよね。
理解してくれる人の存在がどれだけ大切なのかは映画を見てればわかる。いや逆かな、理解してくれる人がいないことのつらさは、劇中で名前すら明かされない”男”を見ていればわかるから。
だからさ、理解してやるべきなんだと思うんだ。
その上でどうやったら一緒に正しい道を歩いていけるかって考えてみたい。
なんて言っても、やっぱり現実に起こる「現実とは思いたくない出来事」を考えると、難しくて困っちゃうやね。
すんません、この「問い」に答えが出せるのは、しばらく先になりそうです。
まとめ
この作品、粗を探せばいろいろあるし実は世間の評価はそんな良くなかったりする。
たしかに細かいところまで気にすると、例えば能力に関する設定の部分とか、化け物ふたりのお互いに対する気持ちの描写は弱いし、ラストの螺旋階段さすがに深すぎじゃね?とかツッコミたくなる。(←知らないだけで本当にあるのかもしれないけど)
でも小山田はこの作品の雰囲気がけっこう好きで、当時劇場で見てずっと覚えてて、最近DVDも買ったし(レンタル落ちだけど)そんな悪い作品じゃないと思うのよ。
山田孝之も好青年胸毛イケメンだし、友人役二人もいい味出してる。石原さとみはかわいい。
そして藤原竜也はずっと苦しんでる。(^o^)
藤原竜也と山田孝之の壮絶な戦いにヒヤヒヤしつつ、暗い気分に浸れて藤原竜也の良さを確かめられる作品かな。
ぜひそんな期待せずに見てもらいたいところ。
以上、小山田でした。(・ω・)
最後に一言「デスノート見たい」
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