クレアが最初から最後までハイヒールを履きとおしたことを、まずは褒め称えましょう!
ジャングルの中でも恐竜に追われてもハイヒールだったクレアの足もとを見て、誰しもが「おいおい嘘だろ」とツッコまざるを得ない、人によっては「リアルじゃない」と怒りすら感じるポイントでありましょう。
しかし、こちらのインタビュー記事「『ジュラシック・ワールド』をハイヒールで爆走!秘話明かす」(外部リンク)でも言われているとおり、
クレアが『これからすごい冒険が起こる』という準備をしていたようには見えたくないと思ったの
良い具合に、急に別の靴がどこからともなく出てきたらおかしいわよね
そうなのです、わざわざ運動靴や長靴に履き替えていたら、そんなの逆にリアルじゃないのです。
だって、彼女は、まさかこんなことになるなんて思っていなかったのだから。
冷静に画面の外から見守る我々はどうしても「いやいやいや、対策甘々すぎ、対応後手後手すぎ、装備よわすぎ」とジュラシックワールドで働く人々をバカにしてしまいがちですが、それでも彼らは最初から最後までずっと「まさか、こんなことになるなんて・・・」と思っていたことでしょう。
(そういう意味でもかわいそうな人たち)
印象的なシーンとしては、秘書であるザラの死亡シーンがエグすぎたり(丸呑みだしきっと生きたままモササウルスの胃袋の中で少しずつ苦しみながら溶けていったんだろうなぁ)、メインキャラっぽい兄弟の絆やその両親との家族愛がどうにも描写不足に感じてしまったり(離婚の話なんだったの?)、オペレーターのヴィヴィアンにボーイフレンドがいたり(なんでや!そこはチューさせてあげる流れじゃん!)
いろいろと問題点もありますが、それでも最後にラプトルとの絆が確かに存在していたことには「ああ、恐竜と人類は分かりあえるんですね・・・」と感動。
恐竜の怖さとかっこよさの描き方はとてもわくわくさせられましたね。
インドミナスは、赤外線センサーすり抜けたり頭脳プレーでオリを抜け出したり擬態したり、攻撃も防御もすばやさも高い恐竜なんて恐怖しか感じません、兄弟の乗るジャイロスフィアが襲われるシーンでは全面ガラス張りだからこその「見える恐怖」が圧倒的。
ラプトルズにまさか裏切られるシーンでは絶望すら感じました。(インドミナスパイセン、コミュ力も高いんすか)
いっぽうで冒頭のパーク初上陸の瞬間は「うおお、オープンして、にぎわってる!ぼくたちの恐竜王国!」とものすごくテンションが上がってしまい、最後の恐竜バトルもまんまと興奮してしまったので、そういう意味では恐竜って、怖いけどやっぱかっこいいですよね。
恐竜の魅力はたっぷり込められてました。
振り返ると、この作品でいちばん人間として成長を見せたのはクレアでした。
最初はバッキバキのキャリアウーマンで、甥っ子よりも仕事を優先したり、恐竜をモノ同然に扱っていたりしたのに、途中で死にゆく恐竜に涙流したり、最後には甥を危険にさらしたことを謝れる大人に。
それ以外の人間は、とくに大きな成長もなかったし、ほぼ愚かだったな・・・。
恐竜を楽しむ良い映画でした。
愚かで矮小な人間よ、主役は恐竜たちであることを、ゆめゆめ忘れるでないぞ。
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